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Category: Cinema!

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その場所に女ありて


snbsnonarki

鬼平曰く「女という生きものは、みな一色のようでいて、これがちがう。女に男なみの仕事をさせたときにちがってくるのだ。」

昭和30年代、まだ路面電車が走る銀座をスーツとハイヒールで闊歩する美しい女。中小の広告代理店にコピーライターとして入り営業に転属して7年。大手広告代理店(多分電通)と製薬会社の新製品広告を賭けたコンペを軸に、それを取り巻く人々の人間模様やビジネスウーマンであり、女であり、人間である「自分」の狭間を渡る「オンナ」の生き様を描いた佳作だ。監督はドライで淡々と、しかし味のある画でお馴染みの鈴木英夫氏。「傷だらけの天使」の監督でもある、はず。

戦後、「働く女」の映画は数本作られたが、「ビジネスウーマン」を題材にした映画は少ないのではないだろうか。いや、どんな職業でも働いている女性は全て「ビジネスウーマン」であるとワタシは思っているので、この場合は「オンナ・サラリーマン」という表現にしようか。企業に属し、そこそこのポジションにある女性社員。仕事が始まれば、上司や男性の同僚に頼られ、使われ、手柄は男性社員に、ミスは自分に振りかかる。しかし、辞めない。クサらない。何故なら「働いて生きたい」からである。自分の立ち位置は自分で確保し、それこそ「女ならでは」の働きをするのだ。

今、「女ならでは」と敢えて書いたが、これは決して俗にいう「女を売る」という意味では、ない。この映画の女性達もタバコに麻雀、博打に宴会接待と「男顔負け」の営業をするのだが、決して「枕営業」はしない。どちらかと言うと淡々と、しかし貪欲に「仕事っス」とこなしていた。これは、スゴイな。

ワタシが思うに、男と女では拘る点、譲れない、許せないポイントが全く異なる。なので、男サラリーマンが二の足を踏む様な事柄や交渉もオンナ・サラリーマンは平気な顔でスルリと踏み込んでいける。女性という図太さをやしなやかさ、強かさ、柔らかさ。そう言ったモノをツール(武器ではない)として活用した働きの結果、上司や男性社員も利を得るので嬉しい。まさに「その場所に女ありて」である。この当時であるからだろうか、この映画のオンナ・サラリーマン達から「トップを狙う」という野心は感じられない。「この仕事を続けていきたい」という切な願いが感じられる。だから誰からの非難も、嫌がらせも、誘惑も受け止め、そしていつも必死なのだろう。

tkasayooooooo


ある場面でこんな台詞があった。

コンペで競合した相手に情報を漏らしたのではなかと疑われ、責任を取り退職を迫られた彼女は断固無罪を主張した。その結果疑いは晴れたのだが、上層部の印象は悪くなった。それを慰める上司が言った。
「大丈夫だよ。仕事ではミスして失敗したけど、キミに先日進めた部長からの見合いは失敗してないから。」
絶句である。ソコかいや・・・ ソコはカンケー無いやろがいっ!このタコハゲっ!

たいした仕事もせず、ノーガキや言い訳ばかり言うコピーライターに彼女が言った。「最近のライターはセンスの無さを口で埋めるのねぇ」 職種は違えど今だってそんなヤツ山ほどいるよなぁ~。

彼女の同僚で「幹事長」というアダ名のオンナ・サラリーマンが出てくる。この女性、ずっと「男言葉」で話すのだ。美しく化粧をし、タイトスーツにハイヒール。「俺はいつだって一人でいい。一人で生きていけるだけの苦労をしてきたさ。だから俺様は誰にも頼らねぇ!」という彼女の男言葉に、当時のオンナ・サラリーマンの苦労と屈折が見えて悲しかった。

「だからワタシは恵まれている」などとは決して思わない。「男は恵まれている」とも思わない。どの時代でも、男でも女でも働くという事はキツい事なのだ。ただ、どんな状況でも主役を演じた司葉子の如く美しく、凛としていられたらいいなと想った。

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