
誕生日プレゼントに、と友人がこの本を贈ってくれた。
「題名、内容、全てがLunaを想い出させ、ダブったのよぉ~。だから是非アナタの感想を聴きたいわ♪」というメッセージを添えて。
出た・・・またこのイメージっすか?(笑)
まぁ、話しの内容は「銀座のホステスをしながらオンナと才覚を武器に、オトコを手玉にとり、自分の野心を遂げようとする悪女、ダークサイドヒロインのU子」の話しなわけで、先日本屋に行ったら平積みになってましたな。売れてる様です。「U子様!」と彼女の悪女っぷりに魅了されたファンがたくさんいるみたいです。へぇ~。
余談ですが、先日1万円以上本買いましたよ。久しぶりでしたなぁ~。
これから順番に読みますが、買った本を改めて眺めてみれば、己の心、状態が如実に出ますね(笑)
悪女モノはその昔からたくさん出ているワケでして、「黒革の手帳」の原口元子、「女の勲章」の大庭式子他登場人物の女性達、「女が階段を登る時」の矢代圭子、「わらの女」のヒルデガルデなどなど、女の見栄と虚栄と浅はかさ、そしてエロがあるうちは悪女小説は無くならない~と、ね。まぁ、どの話も似たり寄ったりですが、名作となるかどうかはその登場人物のオンナの「才覚」と、それに相対する「オトコ」のデキと情けなさの描き方によるわけですな。
で、U子さん。読みました。所要時間は1時間弱。で、感想。
「U子さん、まぁ頑張って~」かな?
特になんとも感じなかったなぁ~。ワタシに似てるところも無かったんじゃないかな?まぁそうでしょうなぁ~と分る事はあっても、共感するところは一切なかった。というか多分違う種類のオンナだと思うんだけど~? ワタシはオンナは張るけど、メスは売らないんだよねぇ~。だからU子さんみたいに自分の野心の為にメスを振り回す様な絵図は描かないと思うよ~。
というか、作者さん、描き方甘い、浅いわ~。先にも言った様に悪女を描くにはそのオンナの色と才覚、そしてオトコのデキと情けなさをしっかり描かなければオモロないですよ。特にオトコ。悪女に翻弄されるオトコもいれば、その悪女を利用しようとするオトコもいるし、悪女と分かっていながら愛するオトコもいる。今回の話しだとそれを「取材」という形で傍観していたが、最後はU子に引きずり込まれるオトコも出てくるが、その引きずり込まれ方が安いんだよねぇ~。悪女をとりまくオトコ達がキャラ立ちしてないと悪女はその華を咲かせられませんからねぇ。
こう想うと、やっぱ「悪女モノ」はオンナには描けないのかな?オンナが悪女を描くと、ど~しても「生臭く」なると感じるね。どうしたって「オトコからみたオンナ」という視点が不可欠なんだよなぁ。オトコの情けなさ、狡猾さ、視点の雄大さ、オスとしての欲情、オトコとしての愛情、父性、社会、組織、仕事に対する考え方、そして雄々しさ、強さなどなど・・・ そういう心理の機微を巧く描いて欲しいね。だって悪女はそれらを敏感に察知し、読取り、計算するんでしょ?U子さんのメスだけにメロメロになってるオトコだけ出すんだったらいっその事舞台は「飛田」にしたらよかったんぢゃないかね?そっちの方がまだ物語になるよ。シンプルだし。
こう想うと山崎豊子さんはスゴイな~と実感する。
野心のあるオトコに悪女、それに社会情勢まで絡めてくるもんなぁ~。
やっぱ人生にドス効かせないとオンナはアカンねぇ。ほんじゃ一緒に精進しましょうかね、U子さん。
ぎゃははははは!
そ~ですか!はい、頑張ってね~。
「小悪女」!!