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煙草一巻き分




雪の予報は大ハズレ、雨上がりの朝は春を感じさせる爽快さであったから、近所の公園で煙草を一服する事にした。火を付けた瞬間、背後からスッと人影が寄ってきた。振り返ると、ヨレた身なりのオバチャンがいた。嫌煙ババァか?!と身構えたが、オバチャンは黒眼がちな瞳でワタシの顔をジーッと視て、言った。
「煙草一巻きご馳走してくれませんか?」

ああ、どうぞ、と新しい「一巻き」を渡して火を付けた。
ありがとう。こういう朝陽の下で吸うとまた美味しいね。いやね、私は神戸から来たの。今から何十年も前だけど、三宮で煙草売りしてた。当時は箱よりも一本売りが主流でね、その度に巻いては売ったもんよ。で、神戸に板前の修行に来てたダンナに引っかかってコッチに連れてこられちゃった。「これ、メンソールだね?スースーする。今朝の空気に合うね」

まぁ、そうだね、と携帯灰皿を差し出して灰を落とさせた。
すみませんね。でもそのダンナが数年前に先に逝っちゃってね。2人で苦労して、老後を楽しむ為に頑張って来たのにさ。やれやれ、やっともうすぐって時に逝っちゃうんだもの…。遺されたコッチはどうすればイイんだかさ~。苦労させられたけど、半身がいないのは寂しいのよ。

同じ不在なら、下手にどこぞで生きてられるよりも、スパッと逝った方がサッパリするんちゃいますか?と言おうと思った。

「でもね、」
本当に優しい人で、愛してくれたのよ。ダイヤでもルビーでも何でも買ってくれたし、年二回の海外旅行は必ず。パリ、ローマ、フィレンツェ、行く先々では毎晩レストランで…

煙草が短くなるにつれ、オバチャンの瞳は黒い沼の様に見えてきた。

吸い終わったから、行きます。と、オバチャンに声をかけたが、オバチャンは亡くした半身と過ごしたヨーロッパの夜に、いた。

幸せなオンナやな、と想った。
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